カメラの緊張を乗り越える 第17回|海外ドラマ「スーツ」から学ぶ演技とは?【2/2】
芦名:
あと何かわかりやすい例なんかないかなぁ。
何だろう。なんかボクシングをしてる人が
プライベートで手首にバンテージを巻いてたらおかしいじゃないですか。
吉岡:
ハハハ、ちょっとやばいっすね。
芦名:
はい。それって絶対詐欺師じゃないですか。日常でいたら。
コイツボクシングやってる人って思わせようとしてんじゃないか。
例えばね。
吉岡:
はいはい、はいはい。
芦名:
みたいな、そういう違和感みたいな。
でもなんか日本のドラマとかの世界だと、
なんか飯食いに来てるのに、
皆がバンテージしながら飯食ってるとかってシーンとかもあったりするじゃないですか。
吉岡:
あぁ、はいはい。
芦名:
おかしいじゃないですか。
吉岡:
(笑)
なるほどね。
芦名:
はい。だからいつまで経っても、感情移入とか共感っていう所ではなくて、
わかりやすさを追求してしまっているなっていうのはすごく感じます。
吉岡:
うーん、なるほど。
芦名:
それがなんか本当に馬鹿げるくらいやるんだったらいいんすよ。
吉岡:
はいはい、はいはい。
芦名:
馬鹿げるぐらいわかりやすいとか。
吉岡:
うんうん。
突き抜けてればいいけど。
芦名:
それをなんかガチでちょっと演技派ぶってそれをやられちゃうと、
なんかちょっと、うん。
吉岡:
ハハハ!
芦名:
そういう方針だと全然いいんですけどね。だからなんか例えば。
吉岡:
なるほどね。
芦名:
アメリカの映画とかドラマとかだと、
あの、ハーヴィー・スペクターが例えばいるじゃないですか。
その、スーツだとして。
吉岡:
うん。
芦名:
彼じゃないですか、もう。
吉岡:
うんうん、うんうん。はいはい。
芦名:
プライベートもあんな感じで。
吉岡:
はいはい、はいはい。
芦名:
本当にその人がいるかのように。
マイク・ロスとかもなんかああいう
ちょっと挙動不審で目を見開いた若い学生みたいな。
吉岡:
いるいる。
芦名:
いるじゃないですか。
吉岡:
うん。
芦名:
なんかそういうのが。
吉岡:
なるほどね。
芦名:
日本に絶対「何やってるんだぁーい」って、いないじゃないですか。
吉岡:
ハハハ!
芦名:
少なくとも僕は会ったことないです。
吉岡:
なるほどね(笑)
芦名:
みたいな、まぁちょっと今回はあの、
くだらない話と言ったらあれですけど、
まぁその演技みたいな話なんですかね、そんな所で終わっちゃいましたけど。
吉岡:
営業マンが友達だといい奴なのに営業し始めると変な奴になっちゃうみたいなのと、
ちょっと近いんすかね。
芦名:
それはちょっと違いますね。
吉岡:
ちょっと違うんだ。
芦名:
それはシンプルに営業力がないっていうだけなんですけど。
吉岡:
お。
芦名:
何だろうな。
あぁ、でもあの、演技がすごくやっぱ難しいのは、
今吉岡さんがこうやって普通に話してるじゃないですか。
吉岡:
うん。
芦名:
ここにもし僕の隣に、今僕と吉岡さんが話してる僕の隣に、
カメラクルーが5人いるとするじゃないですか。
吉岡:
はいはい。
芦名:
吉岡さんにカメラが向けられるじゃないですか。
そうすると吉岡さんは仕草が変わっちゃうんですよ。緊張して。
吉岡:
あぁなるほど。
芦名:
そこがやっぱすごく難しい所ではあるんですけどね。
吉岡:
はいはい、はいはい。
芦名:
吉岡さんがもしあの、今ここにカメラがあって、
今ずっと話しているような感じをここでカメラ撮られてたとしたら、
もう最高に秘書の演技がうまい人なんですよ。
吉岡:
あぁ。
芦名:
もう秘書にしか見えない。
絶対誰がどう見てもこの人さわやかですごいイケてる秘書じゃん。
吉岡:
うんうん。
芦名:
でもカメラが回った瞬間に
「そうなんですねー!芦名さーん!」とかみたいになっちゃうんですよ。
吉岡:
(笑)
芦名:
ちょっとカッコつけたりとか。
吉岡:
はいはい。
芦名:
あれこの人、なんだ?みたいな。
吉岡:
ハハハ!なるほどね。
芦名:
そうするともうごまかしがきかなくなっちゃうじゃないですか。
「それでは秘書の私からぁー、言わせていただきますとぉー」
みたいなっていうセリフにどんどんなっちゃうんです。
吉岡:
あぁー(笑)
芦名:
そういう緊張をどう、
和らげていくかっていうのがすごく勉強になりますよね。
吉岡:
あぁなるほど、なるほど。
芦名:
見ている人からしたら、
その人に感情移入してるかもしれないけど。
その周りにはめちゃめちゃカメラがある訳で。
吉岡:
うーん。なるほどなぁ。
芦名:
そこで本当に悲しい演技をするとかって結構肝が据わってますよね。
吉岡:
はいはい、はいはい。
芦名:
っていう感じで本日は!
吉岡:
アハハ。演技のお勉強(笑)
芦名:
演技のお勉強でした。ありがとうございました!
吉岡:
ありがとうございます!